社会保障協定について考える(海外引越しよもやま話)
2019.12.15
現在発行している社会保障協定の相手国とその内容を考える
前回、お話しした社会保障協定ですが今回はどのような相手国があるのか考えてみたいと思います。
1.現在、発行している社会保障協定の概要は?
~2015年9月現在、15か国との協定が発効中~
2000年2月に発行したドイツとの協定を皮切りに、2015年9月現在、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリーとの協定が発効中となっています。
2.各協定の相違点
(1)社会保障協定の対象となる社会保険制度
~年金制度のみが対象になる協定と年金以外の制度も対象になる協定がある~
ドイツ、イギリス、韓国、かなだ、オーストラリア、スペイン、アイルランド、ブラジルとの協定では、年金制度のみが社会保障協定の対象となっています。一方、アメリカ、ベルギー、フランス、オランダ、 チェコ、スイス、ハンガリーとの協定では、年金制度のほかに医療保険制度など、対象となる社会保険制度の対象が広いのが特徴です。
(2)相手国の年金制度への加入の概要
現在発行中の15か国との協定のいずれにおいても、相手国での勤務期間が5年以内(最長8年以内)の場合、自国(日本)の年金制度(厚生年金制度)への加入を条件に、相手国の年金制度への加入が免除されます。
(3)年金加入期間の通算
各協定のうち、年金加入期間の通算措置が認められているのは、イギリス、韓国以外との協定となっています。
(4)年金制度への二重加入の特例
以前は、イギリスとの間にだけ認められていた年金制度への二重加入特例措置ですが、2012年3月1日より、厚生年金保険の特例加入制度の対象国が全ての社会保障協定となりました。
今回の制度改定により、当初から相手国への赴任期間が5年を超えるため、相手国の社会保険制度に加入しなければならないばいいでも、年金事務所に「厚生年金保険特例加入被保険者資格取得届」を提出することで、相手国の年金制度に加入しながら、日本の年金制度に加入することが可能になります。(厚生年金に任意加入が可能になるため、企業年金への加入も可能になります)
※いったん特例で厚生年金に加入しても、その必要がなくなった場合は、「厚生年金保険特例加入被保険者資格喪失申出書」を年金事務所にていしゅつすることで、 厚生年金保険を脱退することも可能です。
このような情報は、普通の生活をしていればわからないですよね。是非、この機会に勉強して頂ければ幸いです(#^.^#)