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株式会社マイグローバル・ジャパン

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海外で生活する前に知っておきたかったコト!Overseas Tips

3月2019

【連載】失敗から学ぶ海外人事(第 3 話 ビザと生活設営の遅れは大問題!)

2019.03.25

 

第 3話 ビザと生活設営の遅れは大問題!

海外赴任の第一関門は、なんと言ってもビザ取得と赴任地での生活設営です。


言葉も分からず慣れない土地での生活設営は、大きなストレスです。でも、これが完了しないと業務に支障が出るのですから、海外人事からのサポートは不可欠です。海外人事としては、手がかかるので面倒ですが、腕の良い担当者がいれば会社の宝になるでしょう。


なぜなら、コストの高くつく駐在員が一日でも早く円滑に業務に取り掛かることができれば、海外事業所は大いに助かるからです。

 

今回は、ビザ取得が遅れ海外生活の知識も未熟な「ある 駐在員」 が、悲惨な状況に追い込れた悲しい物語をご紹介いたします。 ある駐在員とは、実は私自身のことです。

二十年以上前のことです。 私が勤務した工場は、米国-メキシコ国境沿いの「マキラドーラ」という関税の優遇策を活用したオペレーションでした。駐在員は「アメリカ側」に居住し、「メキシコ側」の工場で業務するというのが、このオペレーションの特徴です。身代金目的の誘拐や麻薬組織の抗争等で非常に治安が悪いので、どの日系企業も同様のやり方で操業していました。

 

私たち駐在員は、アメリカ現地法人に出向し、メキシコ工場の運営を担当するという立場になっていました。したがって、アメリカ就労ビザを取得し、給与もアメリカ現法から受け取ることになります。(勿論、メキシコ側でのビザも必要でした。)そんなわけで、 私はアメリカ合衆国に居住することになったのです。

 

【そして悲劇は始まった】

諸般の事情で、 私はアメリカ現法側でビザ申請を行うことになっていました。でも、現地にはビザ取りノウハウがなく、ビザ申請の手続きが遅れたのです。結局、困り果てたアメリカ現法は、弁護士にビザ申請を一任したのでした。この判断は正解でしたが、タイミングが遅すぎたのです。

なんと!渡航直前になっても、アメリカ就労ビザは取得できていませんでした。

でも、工場立上計画に待ったなしですから、やむを得ず短期商用(90 日)という扱いでア メリカに渡ったのでした。未熟な私は、そのことが何を意味するのか知る由もなく、知らぬが仏で米国-メキシコ国境の町に到着したのです。翌日、さっそく生活設営を始めましたが、ある重要なことに気がついたのです。それは、銀行口座・住居・運転免許証の取得等、重要な契約・手続きには、必ずと言ってい
いほど滞在可能なビザと社会保障番号が要求されるってことでした。その程度のことも知らずに渡航するなんて、恐るべき勉強不足!

私たち駐在員は、唯一の身分証明書であるパスポート片手に、銀行・不動産屋・役所等で一生懸命に交渉しました。新参者の私たちは、 そもそも地域社会で信用が無い上に、米国で有効な身分証明が出来ないため、泣けど叫べど何一つ上手くいきませんでした。

 

【えっ!給料もらえないの?】

最も 私の心を暗くさせたのは、就労ビザがないので、アメリカ現法から給料を支払えないという事実でした。渡航後もなかなかビザが下りず、宙ぶらりんな状態になっていました。おそらく弁護士に相談すれば、何か良い方法があったのでしょう。でも、その頃の私には、弁護士を活用するという知恵すらなかったのです。

いよいよ、日本のクレジットカードが限度額を超え、現金も尽き、食事代も乏しくなってきました。「なんとかしてください!」とアメリカ現法に窮状を訴えました。しばらくしてから、経理から各駐在員に当座の経費相当の仮払いチェック(小切手)が送られてきました。私たち駐在員は、日本食レストランで自分宛の小切手を眺めながら、「これさぁ、俺たち銀行口座ないから現金化できないよね。ここの勘定、どうしようかね?この小切手に裏書してレジで渡そうか。あははは・・・」と、冗談を言っても、誰も笑う気力はありませんでした。

 

【困難は人を成長させる!だけど・・・】

短期商用期間(90日)が、あと二週間で終了するという頃になって、やっと就労ビザを
取得できました。その後、社会保障番号を手に入れてからは、今までの苦労が嘘のように各
手続きがスムースに出来ました。
結局、生活設営に 4 か月以上かかりました。工場立上業務と同時進行だったので、時間的ロスが大きく、会社としても有形・無形の損失が沢山ありました。 私が、 まごついている間に掛かった追加経費は「莫大」でした。

しかし、悪いことばかりではありません。明確な身分証明が出来ず、支援も少ない中で生活設営に取組んだので、自分で調べ、自分の脳みそ使って考え、自分自身で行動しなければ問題は何一つ解決しないという環境に放り込まれていました。 私は、失敗を繰り返しながら、外国での生活を経験的に学ぶことができたのです。

 

最近は、私の若い頃に比べて、企業が失敗を許容する範囲が狭まったように感じます。若い人に、「心は折れるけど会社の屋台骨に影響しない程度の失敗」をさせて、自力での挽回を促すというのも、人材育成として効果的かもしれませんね。しかし、過保護はいけませんが「ビザ取得」と「生活設営」は失敗さ せても良い項目から外すべきです!

 

 

【ビザと生活設営のトラブルは海外事業を停滞させる!】

ビザ取得」と「生活設営」は、海外事業所運営にとって重要事項です。意外に、そのことを意識していない経営者が多いのです。海外事業の経験豊かな企業では、駐在員のビザ取得を専門のコンサルティング会社に任せたり、生活設営をアウトソーシングしたりと、様々な工夫を凝らしています。多少お金はかかりますが、自社のノウハウでは対応困難なビザ取得や、生活設営に関わる問題は、迷わずコンサルティング会社や信頼性の高い外部業者を活用するのが得策です。私は経験上、そのことを強くお勧めしています。良く知らないまま自力で大失敗するより、専門家に相談した方が出て行くお金を少なく出
来る場合がありますし、解決のスピードも早い。

経営者は進出先での収益確保に意識が行ってしまい、「物」「金」の準備を優先しがちです。
しかし、必死で準備した「物」「金」を使って計画実行するのは、他ならぬ「人」です。意外な盲点ですが、「ビザ取得」と「生活設営」が上手く行かなくて、海外事業が著しく停滞することもあるのです。
あなたの会社では、海外赴任者のサポートをどれぐらい熱心にやっているのでしょうか?今この瞬間にも世界のどこかで、自力で解決出来ない問題で悩んでいる駐在員がいるかもしれませんね。

 


次回は、「語学」について触れてみたいと思います。

 

 

【連載】失敗から学ぶ海外人事(第2話 グローバル人材って、どんな人?)

2019.03.18

 

第2話 グローバル人材って、どんな人?

 

ある企業の海外人事担当者さん、ため息つきながら言いました。
「うちはグローバル人材不足で、海外赴任の候補者選びに苦労してるんですよぉ。」

 

ふと、素朴な疑問が心に浮かんできて、「グローバル人材って、どんな人なんですか?」と訊いたら、その担当者さん、「えっとぉ・・」しばしの沈黙の後、「そこですよねぇ!まず、そこからですよねぇ。」

 


分かってないけど、分かってるような気になってることが多いですよね。
自分は分かっているという前提を疑うことが、本当の改善の始まりかもしれません。

 

海外赴任予定者に研修を施して、どういう人材になってもらいたいのでしょうか?

 

経営陣や海外人事は、その人物像をしっかりと策定しておかなければなりません。大手企業の中には、元海外駐在員を海外人事に配属しているところがあります。駐在経験を活用し、実践的研修プログラムを創り上げています。

 

一方で、中小規模の企業では、コスト的に十分な研修は難しいのかもしれません。だからといって、何もしないで駐在員を派遣すると、海外事業の崩壊を招くリスクがあるので放置できませんよね。

 

最近では「グローバル人材育成」という、海外駐在員研修よりもっと範囲を広げて、全社員のグローバル化を推進している企業を見かけるようになりました。

 


では、グローバル人材とは、いったいどういう人のことを言うのでしょうか?


【グローバル人材とは?】

経済産業省のホームページに、「グローバル人材育成委員会」というページがあります。
2010 4 月発行の報告書に、グローバル人材の定義が端的に記述されています。

 

「グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、多様なバックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝え、文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗り越えて、相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれぞれの強みを引き出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すことができる人材。」


とても格調高いですね。こういう人材が社内に沢山いれば、きっと儲かります。 残念ながら、
私は、定義通りの人に会った経験はありません。

 

 

【言うが易し、行い難し】

ここで、私の海外工場勤務時代の失敗談を一つ。ある日、倉庫を巡回していると、作業者がラジカセで音楽を鳴らし歌いながら、楽しそうに作業しているところに出くわしてしまったのです。

 


すぐに倉庫の現地マネージャー(以下、「マ」)を呼びつけ、「あれは、なんや?すぐに音
楽をやめさせろ!」と指示したのです。彼は、平気な顔で言いました。

 

マ「えっ?なんでだめなの?みんな、楽しそうじゃないですか。」


私「ながら作業すると、注意散漫になってミスするし怪我するだろうが!」

 


マ「ここの連中は、音楽鳴ってた方が作業に集中できるんだよ。」

 


私「職場規律っちゅう言葉を知っとるか?」

 


マ「音楽聴いちゃいけないなんて、就業規則のどこにも書いてないぜ。」

 


私「がたがた屁理屈いうな。とにかく禁止だ!他の現場にしめしがつかん。」

 


マ「いきなり禁止したら、みんな文句言うよ。ここではソフトにやらなきゃ、後で面倒なことになるぜ。まぁ、わかったよ。何と かするから、そんなに熱くなるなよ。」


数時間後、驚いたことに音楽はぴったり止み、倉庫では全員が静かに作業していたのです。「意外に簡単だったみたいだね。」とマネージャーに言ったら、
「あははは!あいつらに、日本人のボスは音楽が嫌いらしいって言ったのさ。」

 

当時の私は、誰のアドバイスにも耳を貸さない生意気な若造でした。異文化理解や価値観の尊重など、収益性と効率を追求する現場にいると、どこかへ飛んでしまうのです。相手が、心を持った人間だということを忘れていました。

 

強気な態度を変えないまま 1 年後に、私に不満を抱いていた倉庫の作業者達の労務問題が発生。工場の稼動が大混乱しました。それ以来、現地スタッフの言葉に耳を傾けるようになったのです。

 

【人材育成の本質とは?】

最近、グローバル人材育成に関するセミナーのネット動画を観ていて、著名な大手の人事マンが、最後に言った言葉が心に沁みました。「いろいろやりましたが、仕組みだけでは人は育たないというのが結論ですよ。人間は、 心に響かないと絶対に変わりません。」


語学研修や異文化理解など、さまざまな研修が企業で実施されています。真に効果的なグローバル研修・赴任前研修とは、いったいどういう研修なのでしょうか?


皆さんも、一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか?研修制度の設計は、会社の将来を描く仕事です。高額な研修は無理でも、工夫すれば心に響かせる方法があるかもしれません。

 


来週は、赴任地での「困難な生活設営」について、考えてみたいと思います。

 

 

 

【連載】失敗から学ぶ海外人事(第 1 話 海外事業は駐在員の人選から!)

2019.03.13

失敗から学ぶ海外人事の連載スタート

人事の仕事は社会的な仕事ではなく、社内的な業務がメインとなります。また、営業・マーケティングなどに比べるとセミナーや異業種の交流回などの催しも少なく、極めて外部の情報が入りにくい仕事だと思います。特に海外人事に関しては大手企業でもない限り、お仕事にまつわる情報は少ないはずです。

そこで、これから複数回に渡りシリーズ化し、実施に海外人事の専門家から、海外人事にまつわるお話しをしてもらいます。また、専門的な難しい話ではなく、本人が実際に海外人事や海外赴任の経験から得た、通常では知り得ない情報をご紹介していきます。実際に海外人事で失敗した生々しい事例をご紹介しながら海外人事の本質に迫っていきます。

 

第1話 海外事業は駐在員の人選から!

企業の海外事業所のパフォーマンスは、駐在員の人選で 80%以上決まってしまう!と言ったら、少々乱暴な言い方でしょうか?


今回お話するのは、 ある企業で実際に起こった恐い話しです。 よくある話なので、今日も世
界のどこかで、 同様の不具合を経験をしている 企業があるかも知れません。知り合いの
A さんの話しです。

 

1990 年代、 A さんは突然、途上国での新工場立上げを命ぜられました。晴天の霹靂!


当時
30 歳過ぎたばかりの A さんは、 メーカーの工場で生産計画の主担当者でした。海外工場の担当は他部署だったので、海外勤務など対岸の火事だと思っていました。

 


上司が言葉を震わせながら、「お前、少し英語できるだろ?たぶん三年だ!たのむ!行ってくれそうなのは、お前しかいないんだ。」と言うので、仕方なく
OK したのです。

 

実は、赴任地の言語は英語ではなかったそうですが・・・。 A さんは内示の段階で、かなり嫌な予感がしたそうです。

 


工場立上げメンバーは総数
4 人という少数で、 40 歳半ば技術畑の課長さんと 30 歳代前半の若手で、本社では実務の中核を担っている顔ぶれでした。

 

少数精鋭を気取ってはいましたが、海外工場経験者は一人もいませんでした。
現地入りして初めて、
A さんは専門分野だけでなく購買・倉庫・通関、さらに総務的なことも担当することを知りました。

 

当たり前の話ですが、やったこと無いことは指導できません。しかも、 管理職経験のなかった A さんは、いきなり 40 人の大所帯のマネージャーになっていました。本社では、通常はあり得ない組織編成です。

 


不幸にも、他のメンバー全員にも
A さんと同様のことが起こっていたのでした。大和魂と気合で乗り切るしかありません。何しろ素人集団、当然のことながら工場は大混乱!なにやっても上手くいかない。

 

度重なる工場の混乱で、多額の対応コストがかかりました。


彼らの「根性の長時間労働」にもかかわらず、改善はなかなか進みません。

 

会社は、安い工賃で収益改善を狙ったのですが、工場稼動が不安定なので生産量を増やすことを躊躇し
ていました。大きな投資でしたが効果が出ず、経営陣はあせりを感じていたそうです。

 

A さんが「もう、あたしら死ぬかも・・」と白旗振っていた 4 年目に、本社がやっと動きました。 現地語に堪能な海外工場経営のベテラン、生産管理の熟練者、経理・人事のプロという「スペシャルチーム」を追加派遣したのです。

 

彼らは半年で成果を出し、工場を軌道にのせてしまいました。立上げ時に必要だったのは、彼らのようなプロ集団だったのです。

 


海外駐在員の人選は、当たり前の話ですが、「何のためにいくのか?」「何しに行くのか?」が具体的に分かっていなければなりません。

 

「行ってくれる人」や「日本で優秀な人」が、必ずしも「目的に合った」人材とは限りません。
利益を上げている海外事業所には、「すべきことが具体的に分かっていて、それを実行する能力のある駐在員」が必ずいます。

 

そういう 企業では、経営陣や海外人事に人選と育成のノウハウがあるのでしょう。
駐在員の人選には、会社の海外事業に取組む姿勢が表現されています。だとしたら、海外事業には、どういう人材を選び育めば良いのでしょうか?


海外事業を展開する企業にとっては、とても奥の深い重要なテーマですね。

 


次回は、「赴任前研修」について考えてみたいと思います。

 

海外生活での健康予防と救急時の対処方法

2019.03.07

海外での健康予防と救急時の対処方法

海外では水が日本人に合わないと考えてください。その土地の人たちが平気で飲んでいる水でも、新参者には下痢などを引き起こすので、要注意が必要です。健康で大きなトラブルを起こさない駐在員こそ、名駐在員です。家族みんなで規則正しい生活を送り、「食事」「趣味・運動」「睡眠」の三要素がとても大切です。ここでは健康に心がけながら、万一に備えて家庭で行える予防や緊急時の対象を整理してきたいと思います。

 

 

 

家族の健康と一日の行動予定の確認する

海外生活では、毎朝、お互いの健康チェックとその日の予定を確かめ合うのも習慣にすることをお勧めします。子供の体調をきちんと把握し、予定とのバランスを見て、適切な助言をしてあげてください。これらは日本にいるときは行っていませんでしたが、海外にいる場合、毎朝行うべきです。なぜなら、家族が今、どこで何をしているかを知っておくことは、危機管理の面からも大切だからです。

 

出国前の健康診断などで「要注意」といわれたところは家族でお互いに気をつけてください。例えば、貧血、高血圧、糖尿、アレルギーなど、です。症状がそれがどういうもので、悪くなるとどんな症状や影響があるのか、改善や治療にはどうしたらよいのか、してはいけないことは何か、などについて家族全員が理解し、協力するようにしてください。

 

 

 

医療機関のリストを作成する

赴任地に着いたら、まず初めに行っていただきたいことは、前任者や日本人会などから、日本人がよく利用する診療所、救急病院などの情報収集し、実際にその場所まで行ってみてください。住所と電話番号を確認し、周囲の環境や利用者の様子も観察しておくとよいでしょう。また、救急車の呼び方も知っておくとよいです。腕によいドクターを知るには既に赴任している同僚や日本人に聞くことをお勧めします。

もし、良い小児科・内科の良い開業医を見つけることができた場合は、ホームドクターになってもらうことをお勧めします。日本から持ってきた健康診断書や母子手帳などを見せて、予防接種歴、よく出る症状やアレルギー、既往病歴、家族の病歴なども、ホームドクターに理解してもらうように努めてください。

 

日本語対応の医療機関のパイプをつくる

日本語が使える契約している保険会社の現地事務所、または提携会社に対して、電話やFAX 、Eメールでいつでも連絡が取れるかを確認してください。契約した日本の保険代理店が重要なパイプとなります。また、インターネットで日本語を使って医療相談ができるところを検索し、実際に連絡をとってみてください。さらに、日本語が通じる医療機関なども実際に通じるかどうかを確かめておく必要があります。

確認できた連絡先は、必ず大きく紙に書いて、冷蔵庫などに張り付けるなどし、直ぐに使える状態にしてください。また、夫の勤務先、日本人会の住所・電話番号、子供の学校の電話番号、担任名、友達の電話番号なども、一緒に貼っておくと大変便利です。また、お子様には「緊急連絡先」「医療機関の指定」などを記載したメモ帳やカードなどを常時携行させてください。赴任地で事故などのトラブルに遭遇した場合は、危険が防ぐことができます。

 

医療関係のものは一か所にまとめること

家族の健康診断書はもちろんのこと、母子手帳、保険証書などの必要書類は関らず一箇所にまとめておいてください。また、救急箱、体温計や爪切り、耳かきなどは、なども家族で共通認識の置き場所をどこかに決めるとよいでしょう。何かあった時にさっと出せるようにしておくことが大切です。

さらに、熱帯地域の場合、日本から持っていった常備薬などの薬は、冷蔵庫に保管することで、変質を防げます。とくに熱い国では、よく汗をかくため、カルシウム不足になりやすいので、カルシウム剤を常備しておくとよいでしょう。

 

 

 

水の抵抗力をつける

水に馴染んでください。新しい雑菌への抵抗力がつくまでは下痢に襲われることもありますが、数カ月もすると落ちついてくるはずです。家庭においては、水道には浄水器をつけ、必ず煮沸したものを飲んでください。これは駐在歴には関係なく重要です。

ただし、入浴・うがい・歯磨きなどにまで神経質にならなくても大丈夫です。抗生物質に対しては「危険物」の認識を持ってください。服用、保管にも気をつけてください。

 

(編集:海外引越のマイグロール・ジャパン)

広報担当:高山

海外赴任者の保険について

2019.03.06

 

 

海外赴任者の保険について

社会保険や国民健康保険の完備している日本で暮らしていると海外での医療保険制度は異なるので注意が必要です。日本では多くの場合、実際の医療費の三割程度を支払っていますが、海外では医療費は私たちの想像を超えて高額な請求を受けることがあります。それらを回避するため、赴任者のお守りとしての「海外駐在員総合保険」を活用します。しかし、いざというときに使いこなせなければ、何のために保険を掛けたのか分からなくなりますので、今回は海外赴任者向けの保険商品と、その活用法について考えていきたいと思います。

 

 

海外駐在員総合保険

いわゆる「海外駐在員総合保険」と呼ばれる便利な保険プランは、海外旅行保険を基に作られています。そのため、年単位で掛けることができます。さらに「海外駐在総合保険」は、海外旅行保険は「旅行傷害保険」が基になっており、損害保険の一種と言えます。そのため、実際に海外で事一故やトラブルに巻き込まれると、本人のケガや病気の治療費・入院費だけでなく、親族が駆けつける費用、損害賠償を訴えられた場合の費用なども必要になります。

 

海外駐在員総合保険は、“旅行中の事故"によるケガを原因とします。「傷害死亡・後遺障害」および「傷害治療費用」を基本契約とし、これに「疾病死亡・治療費用」「救援者費用」「緊急一時帰国費用」などを“特約"付け加えるかたちになっています。そこに、赴任地の住宅内にある家財や身の回り品の火災・盗難の損害や「借家人賠償責任」などを加えて“総合保険"としています。保険料率(掛け金)はどの保険会社も大差はないので、特約部分と現地でのサービス体制を考慮して保険会社を検討してください。

 

 

なお、国内の健康保険組合や共済保険組合は、組合員が海外で支払った医療費に対して、一定の給付を行っています。必要書類を整えて勤務先の事務所に提出すれば、結構還付されます。また、海外で出産したときも「出産育児一時金」などが給付されることもわすれないでください。必要書類は「医師の証明書」と医療機関の「診療費(領収)明細書」、さらに保健組合への「療養(費)支給申請書」だけです。

 

保険会社とのコミュニケーションを取る

保険会社の方で“お勧めプラン"を何種類か用意しているはずです。まずはそのセットの中から選べば、まずは無難です。また、子供の人数が多い場合や登山やスカイダイビングなどの危険度の高い趣昧を持つ人は、保険代理店の担当者とよく相談することをお勧めします。保険会社はサービス体制こそが商品価値です。そのため、サービス説明被保険者の“わがまま"にもある程度付き合ってくれます。自分で考え、悩んでないでどんどん保険会社に相談してください。症状やトラブルが深刻化する前に保険会社に連絡をもらった方が、保険会社としても助かるはずです。

 

現地の危険情報が一番早いのも保険会社なので、ときどき日本の保険代理店に連絡を入れてみてもよいでしょう。保険会社としても、こちらが無事でいることを望んでいるので快く対処してくれるはずです。

 

 

 

 

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海外赴任者の予防接種計画を考察する③

2019.03.04

 

家族が赴任する場合、はやり気になるのは現地での病気。また、海外特有の感染症は親としてとても気になるところです。ここで今回は子供の予防接種について考察していきたいと思います。

 

 

子供の予防接種の現状

日本にいると予防接種を気にせず渡航する方が多く見受けられます。しかし、海外で生活をすることは、いつでも感染することがあることを意識しなければなりません。もし海外赴任に子供を連れて長期間の赴任となると、ワクチンを接種してこないと入学を認めない学校もあります。最近赴任者に人気のあるインターナショナルスクールも同様で場合が多いので注意してください。子供を現地校や国際学校に入れようとすると、予防接種の記録を求められます。その場合、母子手帳を英訳したものと原本を見せるか、あるいは日本で作ってもらった健康診断書の予防接種欄を見せてください。但し、接種していないワクチンがあった場合は、すぐに接種しろと言われるかもしれないので、その時は慌てずに、医師に相談してください。

 

日本はWHO世界保健機構が定める予防接種の規定と異なる方法をとっているのをご存知でしょうか。例えば、新生児が母親からもらう免疫は半年ももたないため、生後三カ月までに予防接種を開始します。これは一例ですが、世界の予防接種の標準は日本とは異なります。特に注意しなければならないのは、予防接種を受け入れる場合の心理状態です。日本人は先進国で必要なワクチンの接種を強要されても「世界の標準はそうなのか」と納得できますが、発展途上国で同じことを言われると、過剰反応を起こし反発しやすいものです。

 

 

体調を整える

日本も昔は世界の標準に従っていましたが、副作用による死亡事故の訴訟が相次ぎ、1970年に当時の厚生省が日本独自の規定を定めました。特に予防接種は体調の良い時におこなってください。そのためにも、子供の状態をよく観察して、医師に正確に報告することが必要です。副作用については、日本では行政の責任にされますが、海外では親の責任と捉えられるのが普通です。しかし、出国までに予防接種が完了しなくても、焦らないでください。とにかく、まず体調を整えさせること、そして不安を抱かせないこと。これらを最優先にしてください。

 

 

WHOの基本的予防接種の規定

小児麻揮

ポリオを三回以上服薬し、最初の2回を8~10週間の間隔で飲みます。さらに6~12ヶ月後に、3回目を飲みます。一般に次のDPT と一緒に行われます。

 

 

三種混合(DPT二ンフテリア、百日咳、破傷風)

3~8週間の間隔で三回注射し、さらに6~12カ月後に、4回目の注射を行います。7~9歳の間に、DT(ジフテリアと破傷風の混合)を1~2月の間隔で2回打ちます。6~12ヶ月後、3回目の注射を打つのが一般的と言われています。

 

 

新三種混合(MMR 麻疹 おたふくかぜ 風疹)

12ヶ月~15ヶ月頃に、一回注射するのが一般的です。子供が既にそれらを経験していれば、既往症については免除されます。日本では、MMR 接種後の副作用事故が続発し、1993年で、公費による接種を中止になっています。現在では三種別々に接種しています。

 

 

 

結核、インフルエンザ、肝炎、肺炎、水痘

これらの予防接種は各国の流行の度合いにもより異なります。そのため、医師の判断に任せることになります。狂犬病については、動物に噛まれたら血清を打つことになっているため、予防接種は省きます。またコレラは抗生物質で治るから不要です。これら以外については、ワクチン同士の競合の危険があるので、幼児には不向きだとされています。発展途上国ですと、寄生虫が気になりますが、予防接種はなく、コンパントリンなどの総合駆虫剤を、定期的に飲むことが普通のようです。心配の場合は、現地側で薬局に相談に相談し、寄生虫の予防法や駆除法を確かめておくこともよいでしょう。

 

 

 

海外赴任者の予防接種計画を考察する②

2019.03.01

赴任される国によっては、予防接種の計画が必要になります。しかし、予防接種は多くの種類があります。そこで今回は自分がどのよう予防接種をうけなければならないのか?そして、現地でのようなウィルスや細菌感染する可能性があるのかを考察していきます。

 

 

予防接種の種類

予防接種は基本的予防接種と補足的予防接種の2つに分けられます。基本的予防接種は、原則としてすべての国民に接種することになっているものです。例えば、小児麻庫、ジフテリア、百日咳、破傷風、麻疹、おたふくかぜ、風疹、BCG(結核)などが挙げられます。これは子供に対しては市区町村が無料で行っている予防接種です。ワクチン接種前に擢患したことのある病気については、既に免疫ができているので免除されます。

 

 

麻疹・おたふくかぜ・風疹は、子供のときにかかれば比較的軽くすむが、成人してからなると症状が重く、女性の場合、胎児に悪影響が出ることもあります。多くの人は子供の頃に予防接種をしているため、「免疫がある」と思っていますが、確証がない場合は、医療機関で免疫抗体検査を受けることをお勧めします。

 

 

補足的予防接種は、上記以外に赴任国側が求めているワクチンや現地での生活環境で必要と思われるものを言います。代表的なものとしては、黄熱病、狂犬病、A型肝炎、B 型肝炎 、コレラ、日本脳炎、インフルエンザなどです。これらの中でも黄熱病以外は先進国でも感染することがあり、西ナイル病やC型肝炎なども警戒する必要があります。また、炭痘病、天然痘、赤痢、コレラ、腸チフスなどの感染も十分に注意が必要です。

 

 

そのため、出国前に接種を完了してください。赴任する飛行機に搭乗したとき既に身近に保菌者がいることもあります。また出国前に接種するメリットとして、医療機関にて日本語で説明してもらえることが大きいです。海外で予防接種するのと安心感が格段に違います。但し、決して赴任国の医療水準が低いわけではありませんので誤解しないようにして下さい。場合によっては、現地でしか入手できないワクチンもあります。また、現地の薬局でワクチンを買ってから医師のところに行くこともありますが、不安にならずに落ち着いて対処してください。

 

 

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