赴任者
海外赴任者の予防接種計画を考察する②
2019.03.01
赴任される国によっては、予防接種の計画が必要になります。しかし、予防接種は多くの種類があります。そこで今回は自分がどのよう予防接種をうけなければならないのか?そして、現地でのようなウィルスや細菌感染する可能性があるのかを考察していきます。
予防接種の種類
予防接種は基本的予防接種と補足的予防接種の2つに分けられます。基本的予防接種は、原則としてすべての国民に接種することになっているものです。例えば、小児麻庫、ジフテリア、百日咳、破傷風、麻疹、おたふくかぜ、風疹、BCG(結核)などが挙げられます。これは子供に対しては市区町村が無料で行っている予防接種です。ワクチン接種前に擢患したことのある病気については、既に免疫ができているので免除されます。
麻疹・おたふくかぜ・風疹は、子供のときにかかれば比較的軽くすむが、成人してからなると症状が重く、女性の場合、胎児に悪影響が出ることもあります。多くの人は子供の頃に予防接種をしているため、「免疫がある」と思っていますが、確証がない場合は、医療機関で免疫抗体検査を受けることをお勧めします。
補足的予防接種は、上記以外に赴任国側が求めているワクチンや現地での生活環境で必要と思われるものを言います。代表的なものとしては、黄熱病、狂犬病、A型肝炎、B 型肝炎 、コレラ、日本脳炎、インフルエンザなどです。これらの中でも黄熱病以外は先進国でも感染することがあり、西ナイル病やC型肝炎なども警戒する必要があります。また、炭痘病、天然痘、赤痢、コレラ、腸チフスなどの感染も十分に注意が必要です。
そのため、出国前に接種を完了してください。赴任する飛行機に搭乗したとき既に身近に保菌者がいることもあります。また出国前に接種するメリットとして、医療機関にて日本語で説明してもらえることが大きいです。海外で予防接種するのと安心感が格段に違います。但し、決して赴任国の医療水準が低いわけではありませんので誤解しないようにして下さい。場合によっては、現地でしか入手できないワクチンもあります。また、現地の薬局でワクチンを買ってから医師のところに行くこともありますが、不安にならずに落ち着いて対処してください。
赴任者の健康診断と予防接種を改めて考えてみる②
2019.02.27
改めて赴任者の健康診断と予防接種を考える
海外赴任は海外で仕事をすること。しかし、海外であっても健康ではなければなりません。しかし、意外と赴任者は健康管理については無頓着なものです。それは、前任者からのだけの情報に偏っていることが大きな理由です。インターネットや他人の情報に振りまわせることなく、ここでは赴任前の健康診断や予防接種をどうしたらよいか、一緒に考えていきたいと思います。
母子手帳を忘れない
小さいお子様がいる場合は、お子様の胎児のときに記録した母子手帳は必携書類です。特に予防接種の記録、アレルギーや既往症歴は、赴任地で治療を受ける際に重要であり、役に立ちます。身長・体重の推移、家族の病歴も、現地のドクターにとってはとても参考になります。また、出国までの予防接種プランも終了していれば、翻訳を依頼してもことをお勧めします。
家族でおこなうヘルスケア
準備は夫婦の共同作業で情報収集も渡航準備も、夫婦の共同作業にするのがコツ。海外生活では互いにサポートし合う機会が格段に増えるので、その予行演習としても大事である。家族同士のコミュニケーションも大切にしたい夫婦問、家族間でよく話し合って進めたことは、たとえ後で誤りだと判っても、被害は小さく抑えられず
赴任地の正しい理解が必要
ご家族が赴任に帯同する場合は、単身とは異なり現地の情報収集が必要です。単身赴任であれば「郷に入って郷に従う」で済むことが、帯同家族がある場合は赴任地の気候・風土、社会・文化、衛生状態などについて基本的な情報を集め、理解しておく必要があります。とくに言語や制度、宗教・習慣、人々の思考法などには、それぞれ背景や歴史があるので理解が必要です。
予めある程度現地の情報を把握しておけば、ストレスや異文化ショックも軽減できます。現地経験者の体験談も貴重だが、体験談はあくまでその人のものであって、主観が入っています。そのため、入手した情報は自分自身で冷静に情報を判断することを心掛けてください。書物や新聞記事は、国際親善を考えて現地環境の本質に触れていないことが多いです。現地の人の失敗談から謙虚に学ぶ姿勢をもつとよいでしょう。
家庭常備薬の用意を忘れずに!
赴任直後は言葉の問題もあるし、医療機関に行くのにどうしても抵抗があるものです。家族の使い慣れた薬をある程度備えておけば、心理的にも安心できるはずです。家庭内で「家庭常備薬セット」を用意するとよいでしょう。風邪薬、痛み止め、解熱剤などの馴染みのあるお薬は必ず入れておく必要があります。なお、熱帯では汗一をよくかくので、カルシウム錠剤などを加えてもよいかと思います。
引越しを使用せずに、健康診断書、病状経過診断書、母子手帳、保険証書などの重要書類のほか、救急セット、体温計、解熱・鎮痛剤、風邪薬、虫除けスプレー、キンカンなどのかゆみ止め、目薬、メガネのスペア、当面の生理用品などは手荷物で持ち運ぶことをお勧めします。
(編集:海外引越のマイグローバル・ジャパン)
広報担当:高山
赴任者のメンタルケア②
2019.02.25
前回に引き続き、今回も赴任者のメンタルケアについて考えていきます。赴任先での心の問題を軽くみてはいけません。心と健康は密接な関係にあります。特に帯同家族がいる場合はさらに家族のメンタルケアに細心の注意を払う必要があります。
力まない!焦らない!
とくに海外赴任者は結果を出そうと躍起になる人が多く見受けられます。「本社にオレの実力を見せてやる」などと張り切っている人ほど症状をこじらせる傾向があります。そして、ついには、会社に大損害を与えてしまうものです。
もし、焦ったり無理をしたりしなければ、3ヶ月を過ぎあたりから次第に心身に充実感が戻ってきます。しかし、人によっては頭痛や下痢は半年近く続く人もいます。回避方法としては、何事もプラスに考え、ゆったり構えてください。そうすれば次第に、症状はだんだんと軽くなっていきます。
海外不適応症状から回復する方法
海外不適応症状から心身の健康維持と回復には、至極当然ですが①規則正しい食事、②適度な趣昧と運動、そして③十分な休養(睡眠)が不可欠です。もしも「体調がおかしいな」と感じたら、とにかくよく眠ることが大切です。気を付けることは「薬にたよらない」ことです。医師によっては精神安定剤や睡眠薬を投与する人もいます。しかし、あまり効果はありません。アルコールに依存し過ぎると依存症になるので、できるだけお酒に頼らないでください。「不適応期」をやり過ごせたら、あとは心身ともに安定した生活を送れるようになります。回復には上記の健康維持の三要素に気をつけていれば大丈夫です。
奥様の心のケア
ここでは駐在員の奥様の心のケアについて触れたいと思います。帯同された奥様がノイローゼで帰国されることや、離婚する場合もあります。多くの場合、夫婦の信頼関係が揺らいできたことから始まっています。それらは多くの原因によって引き起ると言えます。例えば、奥様が海外不適応症状悪化することや、夫の「仕事の邪魔」「会社に電話するな」などのちょっとした言葉が引き金になる例も少なくありません。
奥様の心のケアは、趣味・運動はリフレッシュの側面から考える必要があります。特に睡眠と通じるものが良く、また温泉やリゾートへの旅行もおすすめです。できるだけ趣味を多くもち、一人、夫婦、家族全員など、色々な人でも趣味を楽しめる工夫をしましょう。また、日記や手紙を書くのも効果的です。
単身赴任場合、国内に残っている家族にも「不適応症状」が起こることもあるので注意が必要です。夫・父親の不在も家族にとっては立派な“環境の変化"です。奥様が「私ばかりが苦労している」とそれぞれが不満を抱く前に細目なコミュニケーションが求められます。やってはいけないのは、夫が妻を放ったらかしにすること。相手にコミュニケーションを委ねないことが大切です。
よくやってしまうのは「国際電話は自由にかけろ」「いつでも会社に電話していい」とだけ言って、家族を放置してしまうことです。特に単身赴任する場合は、家族に対して能動的にコミュニケーションを取るように心がけてください。
赴任者のメンタルケア①
2019.02.22
海外赴任は馴染みのある日本での環境とは異なる環境で生活しなければなりません。新天地での活躍に希望に満ち溢れる一方で、海外の環境に慣れないという方も多く存在します。会社のスタッフも国が変われば文化も変わり、マナーや商習慣も異なります。そのため、今まで日本にいた時のようにいかないことが多発します。また、ビジネス面だけでなく、日常生活大きく変わります。食事やインフラ環境も日本と同じようにはいきません。海外生活を順調にするには、何よりも精神面を健康に保つことが重要です。そこで今回から数回に渡り、赴任者本人や帯同される家族のメンタルケアに役立つ情報をご紹介していきたいと思います。
赴任者のメンタルケア
多くの赴任者は、赴任後1ヶ月間くらいは、見るものが新鮮で物珍しいため、楽しく過ぎいくものです。しかし、2ヶ月目くらいから、原因不明の頭痛・腹痛・歯痛、下痢、吐き気、さらには虚脱感や倦怠感に悩まされることがあります。その多くは「海外不適応症状」と呼ばれ、原因は環境の変化によるストレスが原因だと言われています。
五月病、引越し欝病などと同様に、海外赴任には海外不適応症状がつきものであることを知っておく必要があります。海外不適応状は優秀な医師にかかっても、原因が環境の変化ですので当面は治りません。また、医師によっては海外不適応症状に気づかないことや、理解してくれない可能性があります。その際に、怒りや不安を覚えると、胃潰蕩や神経衰弱へ悪化することがあるますので注意が必要です。
海外不適応症状の傾向
勤務や行動にムラや無駄多くなり、遅刻やミスを犯しやすくなる。また、不眠になるなど、生活のリズムが乱れてきます。そして、通常の業務の中でも、普段以上に出来栄えに拘るなどの傾向が見受けられます。さらに悪化が進むと、精神面でも不調をきたします。「緊張」「興奮」「落込み」などの情緒不安定になりやすくなり、公私で事故やトラブルが頻繁に起こります。このころになると、セクハラや異性問題、暴力などを起こすと言われています。この状態でさらに放置を続けると、対人恐怖症やノイローゼなどの精神障害に進んでいきます。
海外不適応症状の本質
海外不適応状の主要因は、「自文化中心主義」だと言われています。島国の日本は、異文化の交流も少なく、ついつい自国の文化が優れていると決めつけてしまう傾向があります。そのような考えをもって、赴任国で「所詮この国は」などと見下す人は、それが覆されたときに収拾がつかなくなります。特にレッテルを貼る人は、先入観や偏った見方から脱却できないため、精神的に脆くなりやすい傾向があるので注意が必要です。
編集:海外引越専門のマイグローバルジャパン
広報担当 高山