海外赴任者の保険について
2019.03.06
海外赴任者の保険について
社会保険や国民健康保険の完備している日本で暮らしていると海外での医療保険制度は異なるので注意が必要です。日本では多くの場合、実際の医療費の三割程度を支払っていますが、海外では医療費は私たちの想像を超えて高額な請求を受けることがあります。それらを回避するため、赴任者のお守りとしての「海外駐在員総合保険」を活用します。しかし、いざというときに使いこなせなければ、何のために保険を掛けたのか分からなくなりますので、今回は海外赴任者向けの保険商品と、その活用法について考えていきたいと思います。
海外駐在員総合保険
いわゆる「海外駐在員総合保険」と呼ばれる便利な保険プランは、海外旅行保険を基に作られています。そのため、年単位で掛けることができます。さらに「海外駐在総合保険」は、海外旅行保険は「旅行傷害保険」が基になっており、損害保険の一種と言えます。そのため、実際に海外で事一故やトラブルに巻き込まれると、本人のケガや病気の治療費・入院費だけでなく、親族が駆けつける費用、損害賠償を訴えられた場合の費用なども必要になります。
海外駐在員総合保険は、“旅行中の事故"によるケガを原因とします。「傷害死亡・後遺障害」および「傷害治療費用」を基本契約とし、これに「疾病死亡・治療費用」「救援者費用」「緊急一時帰国費用」などを“特約"付け加えるかたちになっています。そこに、赴任地の住宅内にある家財や身の回り品の火災・盗難の損害や「借家人賠償責任」などを加えて“総合保険"としています。保険料率(掛け金)はどの保険会社も大差はないので、特約部分と現地でのサービス体制を考慮して保険会社を検討してください。
なお、国内の健康保険組合や共済保険組合は、組合員が海外で支払った医療費に対して、一定の給付を行っています。必要書類を整えて勤務先の事務所に提出すれば、結構還付されます。また、海外で出産したときも「出産育児一時金」などが給付されることもわすれないでください。必要書類は「医師の証明書」と医療機関の「診療費(領収)明細書」、さらに保健組合への「療養(費)支給申請書」だけです。
保険会社とのコミュニケーションを取る
保険会社の方で“お勧めプラン"を何種類か用意しているはずです。まずはそのセットの中から選べば、まずは無難です。また、子供の人数が多い場合や登山やスカイダイビングなどの危険度の高い趣昧を持つ人は、保険代理店の担当者とよく相談することをお勧めします。保険会社はサービス体制こそが商品価値です。そのため、サービス説明被保険者の“わがまま"にもある程度付き合ってくれます。自分で考え、悩んでないでどんどん保険会社に相談してください。症状やトラブルが深刻化する前に保険会社に連絡をもらった方が、保険会社としても助かるはずです。
現地の危険情報が一番早いのも保険会社なので、ときどき日本の保険代理店に連絡を入れてみてもよいでしょう。保険会社としても、こちらが無事でいることを望んでいるので快く対処してくれるはずです。
海外赴任者の予防接種計画を考察する③
2019.03.04
家族が赴任する場合、はやり気になるのは現地での病気。また、海外特有の感染症は親としてとても気になるところです。ここで今回は子供の予防接種について考察していきたいと思います。
子供の予防接種の現状
日本にいると予防接種を気にせず渡航する方が多く見受けられます。しかし、海外で生活をすることは、いつでも感染することがあることを意識しなければなりません。もし海外赴任に子供を連れて長期間の赴任となると、ワクチンを接種してこないと入学を認めない学校もあります。最近赴任者に人気のあるインターナショナルスクールも同様で場合が多いので注意してください。子供を現地校や国際学校に入れようとすると、予防接種の記録を求められます。その場合、母子手帳を英訳したものと原本を見せるか、あるいは日本で作ってもらった健康診断書の予防接種欄を見せてください。但し、接種していないワクチンがあった場合は、すぐに接種しろと言われるかもしれないので、その時は慌てずに、医師に相談してください。
日本はWHO世界保健機構が定める予防接種の規定と異なる方法をとっているのをご存知でしょうか。例えば、新生児が母親からもらう免疫は半年ももたないため、生後三カ月までに予防接種を開始します。これは一例ですが、世界の予防接種の標準は日本とは異なります。特に注意しなければならないのは、予防接種を受け入れる場合の心理状態です。日本人は先進国で必要なワクチンの接種を強要されても「世界の標準はそうなのか」と納得できますが、発展途上国で同じことを言われると、過剰反応を起こし反発しやすいものです。
体調を整える
日本も昔は世界の標準に従っていましたが、副作用による死亡事故の訴訟が相次ぎ、1970年に当時の厚生省が日本独自の規定を定めました。特に予防接種は体調の良い時におこなってください。そのためにも、子供の状態をよく観察して、医師に正確に報告することが必要です。副作用については、日本では行政の責任にされますが、海外では親の責任と捉えられるのが普通です。しかし、出国までに予防接種が完了しなくても、焦らないでください。とにかく、まず体調を整えさせること、そして不安を抱かせないこと。これらを最優先にしてください。
WHOの基本的予防接種の規定
小児麻揮
ポリオを三回以上服薬し、最初の2回を8~10週間の間隔で飲みます。さらに6~12ヶ月後に、3回目を飲みます。一般に次のDPT と一緒に行われます。
三種混合(DPT二ンフテリア、百日咳、破傷風)
3~8週間の間隔で三回注射し、さらに6~12カ月後に、4回目の注射を行います。7~9歳の間に、DT(ジフテリアと破傷風の混合)を1~2月の間隔で2回打ちます。6~12ヶ月後、3回目の注射を打つのが一般的と言われています。
新三種混合(MMR 麻疹 おたふくかぜ 風疹)
12ヶ月~15ヶ月頃に、一回注射するのが一般的です。子供が既にそれらを経験していれば、既往症については免除されます。日本では、MMR 接種後の副作用事故が続発し、1993年で、公費による接種を中止になっています。現在では三種別々に接種しています。
結核、インフルエンザ、肝炎、肺炎、水痘
これらの予防接種は各国の流行の度合いにもより異なります。そのため、医師の判断に任せることになります。狂犬病については、動物に噛まれたら血清を打つことになっているため、予防接種は省きます。またコレラは抗生物質で治るから不要です。これら以外については、ワクチン同士の競合の危険があるので、幼児には不向きだとされています。発展途上国ですと、寄生虫が気になりますが、予防接種はなく、コンパントリンなどの総合駆虫剤を、定期的に飲むことが普通のようです。心配の場合は、現地側で薬局に相談に相談し、寄生虫の予防法や駆除法を確かめておくこともよいでしょう。
海外赴任者の予防接種計画を考察する②
2019.03.01
赴任される国によっては、予防接種の計画が必要になります。しかし、予防接種は多くの種類があります。そこで今回は自分がどのよう予防接種をうけなければならないのか?そして、現地でのようなウィルスや細菌感染する可能性があるのかを考察していきます。
予防接種の種類
予防接種は基本的予防接種と補足的予防接種の2つに分けられます。基本的予防接種は、原則としてすべての国民に接種することになっているものです。例えば、小児麻庫、ジフテリア、百日咳、破傷風、麻疹、おたふくかぜ、風疹、BCG(結核)などが挙げられます。これは子供に対しては市区町村が無料で行っている予防接種です。ワクチン接種前に擢患したことのある病気については、既に免疫ができているので免除されます。
麻疹・おたふくかぜ・風疹は、子供のときにかかれば比較的軽くすむが、成人してからなると症状が重く、女性の場合、胎児に悪影響が出ることもあります。多くの人は子供の頃に予防接種をしているため、「免疫がある」と思っていますが、確証がない場合は、医療機関で免疫抗体検査を受けることをお勧めします。
補足的予防接種は、上記以外に赴任国側が求めているワクチンや現地での生活環境で必要と思われるものを言います。代表的なものとしては、黄熱病、狂犬病、A型肝炎、B 型肝炎 、コレラ、日本脳炎、インフルエンザなどです。これらの中でも黄熱病以外は先進国でも感染することがあり、西ナイル病やC型肝炎なども警戒する必要があります。また、炭痘病、天然痘、赤痢、コレラ、腸チフスなどの感染も十分に注意が必要です。
そのため、出国前に接種を完了してください。赴任する飛行機に搭乗したとき既に身近に保菌者がいることもあります。また出国前に接種するメリットとして、医療機関にて日本語で説明してもらえることが大きいです。海外で予防接種するのと安心感が格段に違います。但し、決して赴任国の医療水準が低いわけではありませんので誤解しないようにして下さい。場合によっては、現地でしか入手できないワクチンもあります。また、現地の薬局でワクチンを買ってから医師のところに行くこともありますが、不安にならずに落ち着いて対処してください。
海外赴任者の予防接種計画を考察する①
2019.02.28
海外で生活する時に、何よりも気をつけなければいけないのは現地特有の病気や細菌です。ご家族が帯同される場合は家族を環境から守るため、 予防接種の計画が必要です。ここでは海外特有の病気を回避するための方法を列挙します。
現地特有の病気や感染症などを収集する
渡航前にはアメリカ疾病研究所や国立感染症研究所などのホームペジで最新の感染症危険地帯やワクチン情報などを確認することは必須です。発展途上国であれば、海外医療の専門機関に相談するのもの1つです。
家族のワクチン歴や病歴を把握する
家族一人ひとりにつき、どんなワクチン接種歴や病歴を把握してください。
いつワクチンを受けたか、またどんな病気に何歳のときにかかったかなど、加えて、慢性的持病や特異体質などについても把握してください。もし親族に心臓病や糖尿病などの体質性・遺伝性の病気にかかった人があれば、それらもキチンと把握しておくことが必要です。
体調を整える
予防接種は体調のよいときに行ってください。とくに家族が予防接種する場合は、子供の健康状態は毎日よく観察して管理する必要があります。歯科や眼科、産婦人科などで治療を受けている方は、注意してくさい。ワクチンによって副作用が起きことがあるので、医師には必ず相談してください。
予防接種を受ける機関を決定する
自宅や勤務場所に近い医療機関で予防接種をすることが理想的であるが、赴任国が要求しているワクチンを持っている医療機関が限られている場合もあります。ワクチンがある場所ごとに医療機関を変えると、予防接種証明書の作成と手続きが大変になります。1つの医療機関で全て済ませることをお勧めします。