海外赴任成功の秘訣は異文化適応力!?(海外引越よもやま話)
2019.09.26
駐在員の多くは赴任人に異文化適応力が不足していたこと実感した!?
海外赴任が決まると、会社によっては支援があり色々な研修などが用意されているかと思います。少し古いデータになるが、産業能率大学の調査よれば、海外赴任が決まる前後に勤務先の会社で何らかの教育を受けたという人は81.0%。
具体的には「リスク・安全対策」が59.8%で最も多い。そして「英語」が51.6%、「赴任先の業務知識」50.9%、赴任者との交流」47.9%と続いている。
そして、海外赴任中に会社から何らかの教育を受けたという人は66.0%おり、「英語」が49.4%で最も多く。「リスク・安全対策」42.7%、などが多かった。
しかし、赴任者85.2%が「海外赴任中に不足を感じた知識や能力があった」と回答しているのは驚かされる。
特に「英語力」が37.1%や異文化適応力は36.2%で不足を感じたという人が多いことは驚きである。
英語に関しては、実践で使うしかいないし、切羽詰まれば何とかなるものだと思う。
しかし、異文化適応力の36.2%という数値に注目したい。
この不安はどのようにすれば解消できるのであろうか?
参照:海外赴任経験者、6割が「帰任後の自分について不安に思ったことがある」
https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1110/11/news048.html
解消方法を現地の日本人スタッフに聞いてください!
異文化適応力を座学で研修しても、実践で活かせるかはわかりません。
しかし、弊社のグループには現地で採用された、たくましい日本人スタッフが沢山います。
もし、マイグローバル・ジャパンの海外引越をご利用いただければ、もれなくメンタルマッチョな日本人スタッフがお荷物を届けにいきます。かれらはローカルスタッフと一緒に働き、同じ釜の飯を食う。粋な日本人です。
勿論、異文化適応力、抜群の人間が揃っています。
異文化適応力に不安があったことが調査によってわかっているので、是非、弊社のスタッフに実践的に使える異文化適応力を聞いてみてください!
【連載】失敗から学ぶ海外人事(第 26 話 ついにでたーっ!豚インフルエンザ!)
2019.09.24
第 26 話 ついにでたーっ!豚インフルエンザ!
2007 年頃、私は海外人事にあって、海外危機管理をメインに担当するようになっていました。その頃、いろいろな海外危機管理セミナーに意欲的に参加していましたが、必ずと言っていいほど「新型インフルエンザ対策」が、話題に上るようになっていました。
セミナーに参加している各社の「危機管理担当者」の皆さんは、新型インフルエンザ対応マニュアルの策定に、腐心されていたようです。
2008 年頃から、社内の総務に「危機管理委員会」の設立が決定され、私自身も、「新型インフルエンザ対策本部事務局」のメンバーとして吸収されました。
っていうか・・・総務には海外に詳しい人材はいなかったので、ほぼ 無理矢理に巻き込まれたという感じだったですね。
事務局といっても、やる気満々な総務部長さんと私の2人きりの、非常に寂しい状態でした 。
兎に角、体育会系のブルドーザーのような総務部長さんと二人で、「新型インフルエンザ対応標準」なるものの策定に、着手したのです。
今回は、 危機管理標準の策定が、 なぜ難しいのかを考えてみました。
ほんとに、不況が長引いていて、なかなか経営が上手く行かない企業が多いようですね。
政府も、さまざまな経済政策を実施していますが、景気が良くなってる実感が沸きません。
・・・っていうところから、お話すると、「何言ってんの?危機管理の話だろ?」と、思われる方が多いと思います。
でも、経済・金融政策と危機管理標準策定とは、策定の困難さについて共通点があると思っています。
どういう共通点があるのでしょうか?
【あくまでもモデルです】
私は、大学時代に経済原論という、非常に小難しい学問を学びました。はっきり言って、ぜんぜん理解できませんでしたね(笑)
今でも、古典派経済学・マルクス経済学・近代経済学などなど、難しくてまったく分かりません。
私なりの理解 で言いますと、経済原論というのは、一定の条件下でどういう原理が働くかということを論じているのだと思っています。
「理屈の上では、こういう原理が働いているはずだ!」ということを論じているのであって、それをそのまま現実社会に適用しようとすると、前提条件が違っていたりするために、期待するアウトプットが出ないことがあるのでしょう。
危機管理標準策定においても、自社にとってのリスクを正しく評価し、一定の条件を想定して策定するのです。リスクの評価・想定を間違ったら、標準が効果的に機能しない場合があります。
そうは言っても、この世の中、何が起こるか分かりません。リスクを正確に想定することは、実は、プロの危機管理コンサルタントでも、非常に難しいのです。
「想定の困難さ」が、第一の共通点です。
【上手く機能するか、分からない・・】
経済・金融政策は、現状(結果)に対して、なんらかの施策を打つのですが、事前にそれが有効かどうか「実験」することが出来ません。
つまり、「実行」そのものが「実験」になってしまうのです。たまに、政策が間違っていても「上手くいっている」と、しらを切り続けなければならない時も、あるようですね・・・・
危機管理標準も、想定したリスクが顕在化しないと、有効性は実証出来ません。しかし、従業員の安全に関わることですから、「上手くいきませんでした。どうも、すみません。」では、済まされないのです。
「実験が困難」が、第二の共通点です。
【最も悩ましいのは、何か?】
経済・金融政策にしろ、危機管理標準にしろ、最後まで悩むのは何でしょうか?
それは、「人の心が、どう動くか?」によって、無限の選択肢があるということです。
経済・金融政策で、政府が必死で企業に賃金を上げるように働きかけました。しかし、実際にベースアップがあっても、景気の先行きが不透明で社会保障の行く末が案じられている現状では、将来の生活の不安から「貯蓄」に回ってしまっているかもしれません。
個人であろうと、企業であろうと「金を使うのか?貯蓄するのか?」は、人の心象の表現です。現在の日本の経済・金融政策は、まだまだ私達の心を動かすレベルまでには至っていないのでしょう。
海外危機管理標準においては、会社が従業員の安全をどのように考えているかの表現となります。対策を実行するのは、現場にいる従業員ですから、「自分達の安全が、しっかりと配慮されている」と納得できるルールで無ければ、効果的に機能しません。
例えば、海外有事において「拠点責任者は、従業員全員の退避を見届けてから、最後に退避」と決めたとします。その一文を読んだ拠点責任者は、「とんでもねーぞ!俺が逃げ遅れたらどうすんだよ?俺は、死んでもいいのか?」と、暴れだすかも知れません。
はたまた、義理人情に厚い駐在員達が、「社長をおいて、我々だけ逃げる分けにはいきません!」と言って、退避が遅れる場合も想定されます。
そうかといって、危なくなったら全員同時に一斉退避と決めたとします。
駐在員全員が尻尾を巻いて一目散に逃げて行った為に、 現地従業員との信頼関係が崩壊する可能性があります。その場合、危機が去った後の事業再建に、現地従業員達が快く協力してくれるかどうか分かりません。
「日本人は、危なくなると地元の俺たちのことなんかほったからしにして、自分達だけ安全な場所にトンズラしやがるんだ。何が、社員は家族同然だ!嘘つき!」と思うでしょうね。
海外危機管理標準には、そういった、さまざまな立場の人の視点に立った「心の動き」も、配慮しておかなければならないのです。
「計測困難な人の心の動き」が、第三の共通点です。
【実験できた、新型インフルエンザ対策】
ところが、私は非常に稀なチャンスに恵まれました。
2008 年中に策定した、「新型インフルエンザ対応方針」を実験することが出来たのです。
2009 年 4 月、「新型の豚インフルエンザ」がメキシコで猛威を振るっているという報道が流れ、瞬く間に全世界にウイルスが拡散していきました。
一瞬、世界各国の政府は動揺し、日本政府や多くの日系企業も過剰反応してしまいました。
また、日本人の多くも過剰反応し、風評被害も出ましたね。
幸いにも、「弱毒性」だったため大参事になりませんでした。
企業の危機管理部門は、比較的スローペースで「新型インフルエンザ対応標準」の稼働状況を、じっくりと実践しながら観察することが出来たのです。
企業は、「頭の中で構築した危機管理標準」が、「どこまで有効に機能し」、「どの段階で仕組みがするかを」目の当たりにすることが出来たのです。
頭の中だけで構築した標準は、非常に早い段階で管理限界に達し、管理体制は脆くも崩壊しました。
この時、私は、自社の「実力値」を知ることが出来たのです。
多くの企業の危機管理担当部門が、この時の経験を、感染症以外の他のリスクに対する対処行動を策定する際に、大いに参考にすることが出来たのではないでしょうか。
インターネットや書籍をちょっと調べれば、海外危機管理の標準の知識や雛形は、いくらでも入手することが出来ます。大事なことは、それらは、日本企業が海外有事に四苦八苦しながら対応した、「経験からくる知恵の集積」であるということでしょう。
海外危機管理標準の策定が完了したら、時の経過とともに形骸化させることなく、先人の知恵として大事にしてもらいたいと、切に願うばかりです。
次回は、「駐在員の身近な危機管理」について、考えてみます。
【連載】失敗から学ぶ海外人事(第 25 話 タイでクーデター?どうすりゃいいのよ?)
2019.09.24
第 25 話 タイでクーデター?どうすりゃいいのよ?
私は、海外勤務から日本に帰任し、海外人事に配属されました。その頃の私は、慣れない人事の業務で、四苦八苦しておりました。
2006年9月19日早朝、いつものように朝食をとろうと台所のテーブルについたとき、テレビのニュースが目に飛び込んできました。
「タイで軍事クーデター」という文字と、バンコクを走る「戦車」や兵士の姿が画面に映し出されていました。
「はぁ?くーでたー?なんじゃそりゃ?」
私は、口をあんぐりと開けて、呆然とニュースに見入っていました。
「えーっと・・たしか、うちの会社って、タイに事業所あったよな・・駐在員も家族も、沢山いたような気がする・・・」
突発的に、想像だにしないことが起こると、まるで他人事のように思考が停止し、現実感をまるで感じなくなりますね。
しばらく経ってから、
「そういえば、海外人事の前任者から、危機管理も引き継いでたような気がする・・」
やっと正気に戻った私は、これは自分の担当業務だったことを思い出し、ようやく思考が動き出しました。その頃の私は、海外危機管理についての知識は殆どありませんでした。この事件が、私が海外危機管理の専門分野へ飛び込む、大きな契機になったのです。
急いで通勤電車に乗っ た私は、大きな不安で胸がいっぱいでした。
「クーデターってか?とりあえず、何すれば良いんだろう?」
私は、電車の中で、出社してからすべきことを、頭の中で必死に考えていました。
【社内に経験者がいない・・・】
会社につくと、上司が深刻な表情でやってきて、
「やまもっちゃん、タイの件だけど、すぐに対応してくれ。」
「わかりました!」(えーっと・・対応ってなんや?)
と、応えたものの、何から手をつけて良いか、全くわかりませんでした。
「そうだ!とりあえず、現状の把握だ!安否の確認だ!」
会議室を占領し、ホワイトボードを三つほど運び込み、いろんな情報を書き込んでいきました。
そのうち、状況を知る必要のある人達が、ホワイトボードの前に集まって、がやがやと打合せするようになっていきました。
駐在員・帯同家族の氏名、年齢、安否情報、現地法人の所在地、出張者の居場所と安否、現地従業員の人数や動静、いろんな情報が必要でした。
そして、クーデターの状況、他の日系企業の動静、出張の取り扱い、事業所の稼働状況と今後の方針、工場を休業した場合の影響、顧客の動静・・・・
大変だったですね・・・・。どうすればいいか分からないし、経験者もいないから、訊く相手がいませんでした。
こういう状況下で、まず感じることは、「孤独感」ですね。
こういう状況下で、まず感じることは、「孤独感」ですね。
幸いにも、クーデターは所謂「無血クーデター」で、現地の駐在員からの情報やメディアの報道などで、現地では、比較的平穏な状況が維持されていることが分かりました。
大きな混乱もなく、最後にはタイの国王が出てこられ、事態は終息していきました。
まったく経験の無かった私は、海外有事においては社内の全部門に影響があるという、当たり前のことを経験的に知ることができました。
また、海外危機管理の担当部門が、どれだけ多くのことに対応しなければならないのかも経験し、日常の準備や管理業務が、会社の事業継続にとって非常に重要であることを知ったのです 。
ただ、大過なかったのは、私が単に「ラッキー」だっただけなのです。
【独りぼっちは、私だけではありませんでした】
その当時、会社には海外危機管理の基準のようなものはありましたが、整備されていませんでした。しかし、この時の経験で、海外進出企業は体系的な危機管理標準を持たないと、致命傷を負いかねないということを、痛切に感じたのです。
タイのクーデターが落ち着いた頃、海外危機管理の見直しを指示された私は、幾つかの大手企業や海外進出企業支援団体などにアプローチし、他の企業が、どのように海外危機管理を行っているのかを調べて回りました。
結果として分かったのは、海外危機管理に熱心な企業は、非常に少ないということでした。
一方で、非常に少数ですが、経営陣の強い要請を背景にして、しっかりした海外危機管理部門を作り上げることに成功した企業があります。しかし、それらの危機管理責任者の皆さんですら、例外なく、海外危機管理部門の立上初期には、私と同様に「孤独」との闘いを経験しておられたのです。
なぜなら、平時においては、日本本社には「海外危機管理」に関心のある人は、殆どいないってことなのです。企業の経営陣の最も高い関心事は、利益を確保することです。起こるか起こらないか分からない「海外有事」にはあまり関心が無い場合が多いのです。
海外危機管理構築に成功した企業は、例外なく、過去に経営陣が「海外有事」に直面し、酷い目に遭った経緯があります。一度酷い目に遭うと、企業の経営陣は、海外危機管理に係る投資は「経営上の必要経費」という認識を持つようになり、仕組み構築が一気に加速するのです。
【プロフェショナルがいた!】
私は、タイのクーデターで冷や汗を掻いていた頃、日本には海外危機管理のコンサルティング会社が、いくつか存在するということを知りました。そういった専門機関には、数々の修羅場を経験したプロフェッショナルがいて、多くの大手企業に助言しているそうです。
「助言しているそうです」というのは、扱う情報の機密性が高い為、どの会社と契約しているかということは、口外されることがないからです。
海外危機管理コンサルティング会社は、企業の経営者や危機管理責任者にとって、会社 の内情を開示し相談が出来る、心の支えになっているようですね 。
【ピーターパンの島、ネバーランド】
私は、この地球上には、ピーターパンのネバーランド・・・つまりお伽の国があると思っています。お伽の国は、優しく安全な場所です。本当の悪人なんて、殆どいないのです。安全は、無償で提供され、冒険を楽しむことができるのです。
その国は、どこにあるかご存知でしょうか?
それは、我が国「日本」です。
私たちは、簡単にそのことを感じること が出来ます。車で走っていると、人気のない場所に、沢山の「自動販売機」が設置されていることに気が付きます。
あんなに高価で、ハイテクで、現金が沢山入っていて、一個 100 円以上する安全で美味しい飲み物満載の機械が、道端に放置されているのに盗まれたり破壊されたりすることはめったにありません。
さらに、電車に乗ると、気持ちよさそうに居眠りしている大勢の人たちを、見ることができます。完全に「油断」していても、ほぼ大丈夫なのです。
朝起きたら、近所を戦車が走り回っているという光景も、日本では想像できませんよね。
そんな安全な国は、日本ぐらいなものです。
勿論、日本にもプロの犯罪者はいますし、犯罪も毎日のように報道されています。また、テロや紛争の可能性も、「ゼロ」ではありません。しかし、諸外国の実情と比較してみると、私たちは、極端に安全な環境で生活出来ているのです。
お伽の国出身の企業が、何も知らず、何も準備せずに海外に出て行くのは、サファリパークのライオンのエリアに、裸でネギ背負って入って行くようなものです。
あなたの会社は、進出国で騒乱や紛争、クーデターが発生した時に、すぐに対応できるでしょうか?
今この瞬間に、海外駐在員や帯同家族が、強盗被害に遭ったり、誘拐されたり、テロや紛争などで重症を負ったりしたら、あなた自身は、「具体的にどういう行動をすべきか」、分かっているでしょうか?
リスクの種類は違いますが、大地震や大洪水が起こったら、どうでしょうか?強力な感染症が流行したら、何をすれば良いでしょうか?
もし、あなたが、何も知らなかった頃の私のように「ニュースを観て唖然とする」しかないとしたら、早めに「備え」を検討することを、会社規模に関係なく、強くお勧めする次第です。
次回は、私が経験した「豚インフルエンザ対応」を例に、海外危機管理を考えてみたいと思います。
メンタルがやられる海外赴任者の特徴(海外引越よもやま話)
2019.09.20
★真面目な人ほど危険な海外赴任!?
真面目というのは、日本では美談ですよね。もちろん不真面目よりも真面目の方が良いに決まっています。しかし、真面目な人の多くは生真面目なんです。
その生真面目な性格は海外駐在員として仇になることもあります。なぜなら、真面目であればあるほど、”べき論”に走りやすいと思います。
「何故、そうしないのか」「違うだろ本来こうあるべきだろ」など、ついつい”べき論”に走りがちなです。
そうすると、直ぐにメンタルがやられてきます・・・・。間違いないです!
私の経験からも見ても、日本の常識は海外で非常識なことも非常識ばかり。
外国人スタッフが、日本のルールに全て従うと思っていると大間違い!!!
これって、会社だけでなくて、日常の海外生活で頻繁におこることなんです。
例えば、コンビニでも国によっては横入りするのが当たり前ですし・・・。タクシー乗っている最中ずっと携帯で話しているドライバーいたりして・・・。
もちろん、仕事で言えば、外国人の”わかった”ほど、当てにならないものありません。
だからと言って、直ぐに腹を立てたり、ストレスに感じてはいけません。
なぜなら、文化が違うからです。文化の違う国で育ったのだから、考えて方や行動が違っても仕方ありません。
そのくらい、懐を広くもつ必要があります。
まず、相手に歩み寄っていくことは大切なことだと思います。
拒む態度よりも受け入れる姿勢。ここが違いだと思います。
下に面白い記事がありましたのでご参考にしてください。
「生真面目で頑張り屋」ほど危ない海外赴任
メンタルの健康を保つ「6つのセルフケア」