赴任者の健康診断と予防接種を改めて考えみる①
2019.02.26
赴任者の健康診断と予防接種を考える
赴任者本人はついつい「健康診断は?」「予防接種は?」といった個別情報に目を奪われやすいものです。仕事の都合で海外赴任に帯同するということは「家族で海外に出て暮らす」ということをきちんと振り返る必要があります。未知の世界で暮らす漠然とした不安は、家族の一人ひとりに大変な緊張を強いています。
特に健康や医療は日本と同じようにはいきません。現地の情報は日本のように多くはありません。その一方で情報が集まれば集まるほど、不安になっていく家庭も少なくありません。ここではインターネット時代を迎え、膨大な情報に振り回されないためにも、赴任前の健康診断や予防接種をどうしたらよいか、一緒に考えていきたいと思います。
予防接種の計画の必要性
渡航する国にもよりますが、予防接種の中には、数週間おきに何度も注射することもあります。海外赴任が決まったら、赴任国が求めている予防接種の種類と、その接種回数・間隔などをきちんと把握し、スケジュールを組んでいきます。
特に学齢期のお子様は学校で行われる予防接種とかぶらないように注意してください。奥様は渡航準備の忙しさの中で体調を崩すこともあるので、接種プラン通りに進まないことも計算に入れ、スケジュールを組むことが大切です。
歯の完全治療
虫歯などは出国前に完全に治療しておく必要があります。海外では日本と治療技術もことなります。また、歯の治療には時間を要します。そのため、赴任が決まったら、虫歯があれば、すぐに歯医者に行き治療をしてください。また、X線撮影や麻酔注射、抗生物質の投与があるかもしれないので、予防接種プランを歯科医にも説明しておく必要がります。また、できるだけ歯石も取っておくこともお勧めします。海外で歯痛に悩まされるのは辛いものです。そのためにも、歯は万全の状態にして渡航してください。もし、現在かかりつけの歯科医であれば、電話番号を控えておいてください。海外から相談もでき、一時帰国に合わせて治療の予約も入れることができるのでとても便利です。
健康診断と翻訳
赴任に関わらず、生きる上で何もよりも健康が最重要です。まず、ご自分や家族の健康状態が、海外生活に耐えられるものかどうかをすぐに調べる必要があります。また国によってはビザ(滞在許可)の申請、お子様の入学手続きに健康診断書が必要になります。そのため、健康診断書は重要書類として携行手荷物に加えることをお勧めします。なお、英文の健康診断書も作っておくと便利です。アレルギーや既往症歴、家族の病歴なども書いてもらうと、赴任地でのドクターへの説明がとてもスムーズです。
また、治療中の病気については、主治医に英文で「病状経過診断書」を書いてもらうことをお勧めします。発症から出国直前までの病状経過、検査データ、治療法や投薬の記録などを書いてもらい、携行するとよいでしょう。慢性持病者の場合、多くの薬を持っていかなければいけませんが、「病状経過診断書」があれば税関でのトラブルを防ぐことができます。